• 折笠静馬：中村悠一
• 修羅神狂死郎：三上哲
• 鹿又澄江／雛鶴：黒沢ともよ
• 黒木せんり：Lynn
• 平松武兵衛：山路和弘
• 守屋龍三：宝亀克寿
• 川路利良：飛田展男
• 小山内秀信：上田燿司
• 藤田五郎：興津和幸
• 小梅：佐藤みゆ希
• 中澤琴：園崎未恵
• 緑川順平：粕谷大介
• ダリオ：青木瑠璃子
• 幻丞：松山鷹志
• 愚円：蓮岳大
• 大久保利通：咲野俊介

時は1874年。大政奉還から七年が過ぎ、明治政府は富国強兵を掲げて近代化の歩みを進めていた。元会津藩士の折笠静馬は、侍としての過去を背負いながらも東京で人力車を引く日々を送っていたが、かつて戊辰戦争で名を轟かせた剣の腕は未だ衰えていない。彼の心には、戦乱のなか行方不明となった許嫁・鹿又澄江の影が深く刻まれていた。ふたりが共に折った折紙を手がかりに、静馬は澄江の行方を追い続けている。

そんな折、岩倉具視暗殺計画に巻き込まれた静馬は、その手腕を見込まれて新設された警視庁――ポリスの一員に抜擢される。一方、東京の裏社会では、隻眼の剣士・修羅神狂四郎が守屋組の客人として現れる。彼もまたある目的のため、静かにその牙を研いでいた。守屋組はアヘン密売で得た利益を用い、「武士の世」の復活を掲げて陰謀を巡らす黒幕と繋がっていた。

政府の秩序を守る者と、混乱の火種を抱える者。交わるはずのなかった静馬と狂四郎の道は、運命の奔流により交錯していく。やがて静馬の前に現れるのは、皮肉にもあまりにも切ない出会いと別れ――その真実が、彼の心を深く揺さぶることになる。

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